ネコによる福音書

~愛と癒しのメッセージ~

ネコの露天商人のお話~「本物の偽物」はホンモノ?ニセモノ?~

ねこ

 

あるところに、ネコの露天商人がいました。

 

ネコの露天商人は公園で、ビニールシートの上にたくさんの「宝石」を並べて売っていました。

 

それぞれの「宝石」には、次のような値段札がつけられていました。

 

えめらるど  100円

るびぃ    200円

だいあもんど 300円

ご~るど   400円

ぷらちな   500円

 

ネコの露天商人は大きな声でお客さんを呼び込んでいました。

 

「よってらっしゃい!みてらっしゃい!

 

あっしが世界各地から集めてきた、きらびやかな宝石の数々、とくとその目でご覧あれ!

 

普段は何十万、何百万もする代物が、今なら、なんと!

 

すべてがワンコイン以下で買えるというビッグチャンスだよ!

 

この機会を逃したら、死んでも死にきれねーってもんよ!

 

さぁさぁ、買った買った!大安売りのお買い得品だよ!

 

そこのべっぴんさんに男前さんたち!買わなきゃ大損間違いなしだよ!

 

買ったらモテモテのお金持ちの幸せ三昧!いいことずくめのハッピーライフさ!」

 

そこに、ネコのお客さんが通りがかりました。

 

「あらあら、ずいぶんお安いですね、ちょっと見せてくださいな」

 

ネコの露天商人は張り切って営業トークをはじめました。

 

「おうおう、かわいいお客さん、顔も毛並みもとってもキュートじゃありゃしませんか!

 

今日はお客さん最高についてますぜい!

 

なんと最高品質の高級品がお安く買える大チャンスだよ!

 

さぁさぁ、買った買った、1時間限定のタイムセールさ!」

 

ネコのお客さんは言いました。

 

「このダイアモンドが気になっているのですが、ちょっと安すぎませんかね?

 

どうしてこんなに安いんですか?

 

失礼ですけど、ひょっとして偽物なんじゃないですか?」

 

ネコの露天商人は汗びっしょりになりながら答えました。

 

「な、何を言いますお客さん!

 

全部が完璧な本物!正真正銘の本物さ!

 

本物過ぎて、逆に本物じゃないんじゃないかっていうくらいの本物だよ!

 

本物の中の本物!本物の偽物ですぜい!

 

だから安心して買ってくんなまし!

 

さぁさぁ、買った買った!

 

お買い得のスーパーセールだよ!」

 

ネコのお客さんは言いました。

 

「え?今、小声で『本物の偽物』って言いませんでしたか?

 

あれ?気のせいかな?

 

あの~結局これは本物なんですか?偽物なんですか?」

 

ネコの露天商人は目をキョロキョロさせながら答えました。

 

「おやおやおや、なかなか鋭いねぇ、お客さん!

 

ん~、まぁ、本物っちゃあ本物だし、偽物っちゃあ偽物よ!

 

ネコは心が肝心さ、だからそいつを決めるのはお客さんのハートってもんよ!

 

そんなことよりこの光沢、美しいでしょう?

 

こいつぁ~そんじょそこらの店じゃ買えませんぜい、お客さん!

 

さぁさぁ、買った買った、大安売りだよ!」

 

ネコのお客さんは疑いのまなざしで言いました。

 

「いやいや、ちょっと待ってくださいよ。

 

本物と言えば本物、偽物と言えば偽物って、少しおかしくないですか?

 

あなたさっき『本物の偽物』って言いましたよね?

 

文法的に『本物の』という言葉が『偽物』という言葉にかかっているので、やっぱり全部が偽物なんじゃないですか?

 

どうなんですか?答えてくださいよ、嘘ついたら警察ネコを呼びますよ!」

 

これを聞いてネコの露天商人は怒り出しました。

 

「おいおいおい、さっきから聞いてりゃあ、お客さん、何を言ってやがんでい!

 

文法だか、説法だが知りやせんが、あっしは嘘なんて一言もついちゃいませんぜい!

 

嘘つき呼ばわりとはあんまりさ!

 

そりゃあね、お客さん、偽物を本物として売ったらそいつはいけねーよ、お天道さまも許さねぇってもんよ!

 

しかしね、お客さん、あっしは偽物を「本当に偽物」だよって言って売ってるわけよ、

 

これのどこが悪いんだい?

 

ああ、そうだよ、全部偽物さ、それのどこに問題があるんだい?

 

みんなきれいで素敵な「宝石もどき」じゃないか!

 

ああ、そうさ、こいつらは全部あっしが一生懸命、丹精込めて作ったガラス細工の偽物さ、

 

でもね、お客さん、あんたには心ってもんがないのかい?

 

あっしだって生活がかかってるっつーわけよ!

 

家に帰ればね、お客さん、病気の女房がいて、かわいい子どもたちが腹すかせて待ってるわけよ、

 

それなのにあっしをまだ責める気なのかい?

 

もし、あっしが警察ネコに捕まったら、家族はどうなるんでい?

 

みんな露頭に迷ってのたれ死んでしまうってもんよ、

 

そんなことをあんたは望むのかい?

 

血も涙もねーのかよーあんたには、おうおうおう、おうおうおう」

 

とうとうネコの露天商人は泣き出してしまいました。

 

ネコのお客さんはこれをかわいそうに思って言いました。

 

「わかりましたよ、警察ネコを呼んだりはしませんよ、

 

まったく、怒ったり泣いたり忙しいネコさんですね、

 

ここにある宝石は全部ガラス細工の偽物かもしれませんが、とてもきれいですし、気に入ったので全部買ってあげますよ、だから元気を出してください、

 

ほら、涙を拭いてください、それで、全部でおいくらですか?」

 

ネコの露天商人は言いました。

 

「ぐすん、ありがとう、お客さん、あんたいいネコだなぁ、

 

あっしは偽物を売っていますが、あんたの心は本物だ!

 

気に入った!持ってけ泥棒!全部タダでくれてやらー!」

 

ネコのお客さんは、たくさんのガラス細工の偽物の宝石を抱えながら、帰って行きました。

 

それは、本物の宝石のようにキラキラと美しく輝いていました。 

 

 ちょっと意味不明なお話になってしまいましたが、わたしが伝えたかったことは、本物と偽物についてです。

 

世の中にはブランド品が出回っていたり、高学歴の大学や高収入の仕事に価値があるとされていたり、人や組織の人気や権力や権威、また、人の印象や容姿、美人であるとかイケメンであるとかということが、一つのステータスのように扱われていますね。

 

でも、本物ってなんでしょうか?

 

本当に価値のあるものってなんでしょうか?

 

この世界は幻想です。

 

だから、本物のブランド品も、偽物のブランド品も、全部が夢の中の商品に過ぎず、そこに価値があるわけではありません。

 

また、学校で得られる知識や、仕事で得られる収入も、よく考えてみると、生きている間は一定の意味を持つかもしれませんが、死ねばすべてが幻のように消えるはかないものです。

 

多くの人々に好かれることも、すごい人物や組織だと思われることも、他人にどんなイメージを持たれていたとしても、いかなる美しさやかっこよさを持っていたとしても、それらは、いつか失われてしまう束の間のおとぎ話なのです。

 

本物はこの世界にはありません。

 

本当に価値のあるものは、この世界にはないのです。

 

それは、この世界の外側にあります。

 

それが愛です。

 

この世界の全部が、本物の偽物です。

 

すべてが愛の模造品です。

 

騙されてはいけません。

 

あなたが本当に求めているものは愛です。

 

愛は買えません。

 

幸せも買えません。

 

それらはあなたの外側には絶対にありません。

 

何もあなたを救えません。

 

あなた以外の誰も、あなたを助けることはできないのです。

 

美しい誘惑に負けないでください。

 

心地よい快楽が、あなたをいつも蝕んでいます。

 

それらの誘惑は、あなたにとって「本当に大切なことは何か」を見失わせようと、毎日あなたを違う道へ、違う道へと引きずっていこうとしています。

 

だから、心を律して、愛のもとへ戻ってきてください。

 

「ここ」に愛があります。

 

「あちら」には愛がありません。

 

世界を観察してください。

 

心を観察してください。

 

おや?これはちょっとおかしいんじゃないのかな?というようなことがたくさんあります。

 

変わるなら、それは嘘です。

 

矛盾するなら、それは嘘です。

 

真実は表面ではなく、その奥に隠されています。

 

すべてが生命の表れです。

 

偽物の世界の中でも、すべてのものの奥に、本物が隠されています。

 

この世界の「外側」が、すべてのものの「奥」にあります。

 

それが「ここ」です。

 

「あちら」は騒がしくて散らかっていますが、「ここ」は静かで整っています。

 

だから、いつも静かにしていてください。

 

そうすれば、いつも「ここ」にいられます。

 

本物はあなたなのです。

 

愛はあなたなのです。

 

どうか、本物を大切にしてください。

 

あなたの生きる毎日が、本物と偽物を上手に見分け、本物だけを選び続けるものとなりますように。

 

愛と光を。